AdSense に「有用性の低いコンテンツ」で落ちた
3D の惑星が主役のサイトは、審査する側からは「文字がほとんど見えない、2ページだけのサイト」に見えていた。測った数字と、見えない文章を増やさずに直した方法。
#AdSense#Next.js#SEO
2026年9月、Google AdSense に miiiwa.com を申請したところ、審査に落ちました。理由は「有用性の低いコンテンツ」です。
広告配信の対象となるには、サイトが独自の価値を提供し、ウェブ上で一貫したプレゼンスを確立し、商業広告パートナーシップを維持できるレベルのユーザーの関心を集めている必要があります。
このサイトは、3D の惑星をコードで一から作ったサイトです。作るのには手間をかけてきました。でも、実際に数字を測ってみると、審査する側から見たこのサイトの姿がはっきり見えてきました。
審査する側には、どう見えていたか
公開中のトップページの HTML を取ってきて、中に書かれている文章の量を測りました。
| 測ったもの | 値 |
|---|---|
| HTML に含まれる本文 | 約3,200字 |
| そのうち、画面に表示されない文章 | 約3,100字(96%) |
| 最初の画面で目に見える文字 | 約120字 |
| サイトマップに載っているページ | 2つ(トップとプライバシーポリシー) |
このサイトのトップは、ほぼ全部が 3D の惑星です。建物の名前も説明も、3D の中に描かれているか、クリックしないと出てこない。最初の画面で読める文字は、ナビゲーションとカード1枚とフッターを合わせて約120字しかありませんでした。
HTML には約3,200字の文章が入っていましたが、そのうち96%は、画面には表示されない文章でした。3D の中の文字は、画面を読み上げる機能(スクリーンリーダー)にも検索エンジンにも読めないので、同じ内容を「見えない HTML」として置いていたのです。
そして、制作実績や経歴は、同じ1つのページの中を切り替えているだけで、別のページとして存在していませんでした。審査する側から見ると、このサイトは「ほとんど文字が見えない、ページが2枚しかないサイト」だったわけです。
見えない文章は、価値として数えられない
見えない文章を増やせば通るのでは、と考える人もいるかもしれません。でも、それは逆効果になりえます。
画面の読み上げのための代替テキストは、それ自体は正当なものです。でも、審査で見られるのは、訪れた人に見える価値です。見えない文章は、サイトの価値としては数えられません。それどころか、検索エンジンのためだけに文章を隠して置くことは、Google のスパムに関するポリシーの「隠しテキスト」に当たるおそれがあります。
実際、見えない文章を置いているファイルには、「AdSense の審査ボット向け」というコメントが書いてありました。目的をそう書いてしまうと、アクセシビリティのための代替テキストだとは言いにくくなります。このコメントは、「画面の読み上げのための代替テキストであり、ここに文章を積み増して審査に効かせようとしない」という内容に書き直しました。
一番の原因は、「本人の紹介」しかないこと
数字以上に大きかったのは、サイトの中身の性質です。ポートフォリオは、基本的に「作った本人の紹介」です。Miiiwa を知らない人が、検索して読みに来る理由がありません。
AdSense が求めているのは、「信頼できる高品質な情報・ツール・サービス」「継続的なキュレーション」「ユーザーの純粋な関心」です。本人の紹介だけのページは、この3つのどれにも当てはまりにくい。技術的な手直しをどれだけしても、ここは変わりません。
見えるページを、ちゃんと作る
そこで、見えない文章を増やすのではなく、見える読み物のページを作ることにしました。
- 制作実績ごとの紹介ページ。 これまでは、制作実績のポップアップに2行の説明があるだけでした。1つずつ独立したページを作り、何を作ったのか、なぜ作ったのか、中身はどうなっているのか、つまずいたところはどこか、を数千字で書きました。ポップアップの「View Code」「Play Now」の隣に「Read More」ボタンを置いて、そこから読めるようにしています
- このノート。 作りながら考えたこと、つまずいたこと、うまくいった瞬間のことを書く技術日記です。きれいにまとまった解説ではなく、その時点で分かったことの記録にしています
このサイトは、Next.js の静的書き出し(output: 'export')で作っているので、サーバーは使えません。でも、「どのページを作るか」をビルドのときに教えておけば、ページごとに普通の HTML として書き出せます。制作実績とノートの一覧から、ページを自動で作るようにしました。
見えない失敗を防ぐ仕掛けも、いくつか入れました。
- ページごとに、自分自身を正しい URL として示す。 サイト全体の設定で「このページの正しい URL はトップページです」と宣言していたので、何もしないと、新しいページが全部「トップページの複製です」と名乗ってしまいます。そうなると、検索にはほとんど載りません。画面には何も表れない失敗なので、テストで見張っています
- 本文が短すぎるページは公開できない。 制作実績とノートの本文が一定の長さ(2,000字)に満たないと、テストが失敗するようにしました。下書きのまま公開してしまうのを防ぐためです
- 広告の設定ファイル(ads.txt)を置く。 AdSense の広告を載せてよいことを示すファイルが、置かれていませんでした。広告のスクリプトの ID と一致しているかも、テストで確かめています
作り込んだものほど、読めない
測ってみて分かったのは、手間をかけて作り込んだ 3D の部分ほど、機械からも初めての人からも読めない、ということでした。触る前の段階で「何のサイトなのか」を伝えられるのは、普通に読める文章です。
制作実績のページとこのノートは、その「普通に読める文章」の置き場です。これから少しずつ増やしていきます。